三宅島で見た海の力、自然の力
- 水中写真家・中村征夫さんインタビュー -
ユニークな魚たちの表情、たくましく暮らす海の生きものたち―。自然の素晴らしさと厳しさを伝え続ける写真家・中村征夫さんは、三宅島にも何度も足を運ばれています。観光解禁となった2005年5月には早速島を訪れ、甦りつつある海の姿を撮影、6月に東京で写真展も開催されました。中村さんの目に、三宅島の海や自然はどのように映ったのでしょうか。水中写真を始められたきっかけや仕事に対する思い、環境への問題提起まで、たっぷりとお話をうかがいました。
- 目次
- カラフルだった三宅島の海
- 生命の原点が危ない
- “底もの”に見た潮の力
- 黒潮で甦る三宅島の自然
- 神奈川の海に浮上した潜水艦?
- 一生の仕事
- 海のことは何も分かっていない
- 弱い遺伝子は淘汰される
- デジカメも使います
- 中村征夫さんプロフィール
カラフルだった三宅島の海
――中村さんが初めて三宅島に行かれたのはいつごろなんですか?
中村 新聞の取材だったので、31歳のときかな。今から約30年前ですね(笑)。新聞で三宅特集をやるというので、特派員に付きまして。それが最初の三宅ですね。
――行ってみてどんな印象でしたか。
中村 そうね、例えばガラパゴスもそうなんだけど、山々は緑がたくさんあるんだけれども結構溶岩が露出していて、緑と黒い岩で形成された、一見地味な島だなと思ったんですよね。ところが、その溶岩の合い間にいろんな生きものが潜んでいるのが分かる。ガラパゴスと同じで三宅島もそうなんだなと思いましたね。
――海にも入られたんですか?
中村 ええ、海も潜りました。伊豆七島に多いタカベの群れに囲まれたりしてね。まだまだ写真も未熟だったので、ろくな写真は撮れなかったけども(笑)。
大島や八丈島もそうだけど、伊豆の海というのは海底はやはり溶岩の影響を受けたりして、一見鮮やかさに欠けているように見えるけれども、しかしよく見ると岩肌にはいろんな生物が付着しているし、照明を当てて岩を取るだけでも、ものすごくカラフルな色が現れるんですよね。そういうのに驚いたりします。海草なんかもどこにもあるというわけではなくて、溶岩に埋め尽くされたところもあるし、藻場もあったりなかったりということもあるし。でも魚種は非常に多いと思ったんですよね。僕はとにかくタカベにびっくりしたのと、あと回遊魚も結構いましたね。カンパチだとか、釣り師が喜ぶクロダイとか、イシダイとか、そういうものもたくさんいたような気がします。
