永井真人(♪鳥くん)の
三宅島初上陸!
- バードウォッチング・マニアック編 -
第4日目(2006年3月28日)
ついに最終日だ!!
今日は少々遅く、8:00に起きた。オーストンヤマガラが今日もおはよう!と顔を出してくれる。オオシマザクラの花にシチトウメジロがやってきている。
今日は固有種をゆっくり見よう!
タネコマドリやモスケミソサザイはちらっとしか姿を見ていない。照葉樹の森を歩いてみる。声はあちこちでする、姿もちらほら見せてくれるが、動きがすばやくてなかなか見れない。しかし、いつしか島時間。のんびりな気分にすっかりなっていて、深追いはしない。
そんなときにカラスバトの低い声がする。上空を横切る。幸せな時間だ。
ウラシマソウやシチトウスミレがかわいい。

コマドリやミソサザイはもう少し後の繁殖期には道によく出てくるそうだし、カラスバトはタブノキの実がなる6月前半頃が見やすいらしいから、また来ればいいんだ。都心からもっとも近いオアシス、それが三宅島だろう。
宿の窓をあけると、そこでアカコッコが採食していた。1~2mくらいの距離だ。本当に人なつっこくてかわいいやつだ。
アカコッコ館の山本さん、篠木さんに今日までのお礼を言いに行く。今日も優しい笑顔で迎えてくれた。鳥との出会いもうれしいが、こういった人たちとの出会いが旅のすばらしさの1つだ。
「また必ず来ます。たぶんけっこうすぐに・・・・・・」。そう言って港へ向った。
フェリーに乗り込む。少しずつ寂しくなってくる。寂しいがもう最初から決めている。また来たい! 来よう!
そして、ここからもう1つの楽しさが始まる。行きのフェリーは夜の航路だが、帰りの航路は昼間。海鳥観察は絶対はずせない!
港から10分もすれば、オオミズナギドリの大群が海面すれすれに風に乗って次々に飛んで行く。しばらくこのオオミズナギドリの群れはつづいた。しばらくして、まずオオミズナギドリの2倍はあるだろう、巨大で真っ黒な鳥が、オオミズナギドリが規則的に風に乗って行く方向とは反対に飛んでいく。クロアシアホウドリだ!!!
カンムリウミスズメも数羽プカプカ浮いていた。ハイイロヒレアシシギの群れも飛んで行く。

つづいて、小さなコウモリのような鳥がすばやく縦横無尽に海面を飛んでいる。オーストンウミツバメだ。背中の褐色のラインや、尾の二股がわかる距離にやってくる個体もいる。オーストンウミツバメに似ているが、長めの尾を上にもちあげる独特のスタイルで飛ぶのはアナドリだ!!
ちょうど大島と三宅島の中間あたりが航路のハイライトポイントだろう。そこらじゅうウミツバメだらけだ。ウミツバメ類のあの自由きままに海上を飛ぶ姿はそれだけで見る価値がある。もうどこのどれを見ればいいのか? うれしい悲鳴をあげる。
大島沖を通りすぎると房総半島も見えてくる。その頃、鳥影は少なくなり、日も暮れていく。
この演出されていない大自然のドラマを満喫しているうちに、もう竹芝桟橋に到着だ。浜松町から山手線に乗り人の波に飲み込まれるほどに、あの三宅島の優雅で、素晴しく優しい時間が思い出される。
心のクイックマッサージ。まさに三宅島はそんなオアシスだった。

永井真人(♪鳥くん)
作詞・作曲家、インタープリター、ときどき歌手。野鳥雑誌『BIRDER』で連載を持つほか、ラジオ、環境系・ネイチャー系の講演などで活躍中。日本野鳥の会バードウォッチング検定1級。環境省「環のくらし応援団」メンバー。著書に『地球の環』(さかなクン、琉球サンゴくん共著)、『カモメ観察ノート』(文一総合出版)。主な提供楽曲に、アニメ「遊技王デュエルモンスターズ」オープニング曲「WILD DRIVE」、Kinki Kids「HEY!和」、ロッテアイスCMソング 滝沢秀明「瞳を閉じて」など多数。
http://www.nagaimasato.com/